第2回 経営者の資質

小さくとも会社経営をしていると「経営者には何が必要ですか?」「経営者の重要な資質は何ですか?」と言うような質問を受けることがあります。
これ、結構難しい質問で、答えに窮してしまうことも多く、「うーん。総合力ですかねぇ。」などという曖昧な答えをしてしまい、質問者をがっかりさせ、「なんと愚鈍な社長だ・・・。」などと思われた事もあったに違いありません。

経営者に求められる資質や能力は多岐にわたりますし、技術系の会社なのか営業力の会社なのかといった、その企業のバックグラウンドにも依ります。
また、規模や創業期・成長期・成熟期などのフェーズにより変わってくる相対的な部分もありますから一概には言えないのです。私もその能力の向上に日々鍛錬中の身であり、まだ確固たる答えを持ち得ていません。

そんな私ではありますが、現時点で一つあげるなら、経営者の重要な能力の一つに「思いを“カタチ”にする言語能力」があると思ってます。「言葉にする」「文章にする」という力です。多くの経営者は起業にかけた思いや夢、企業としての使命感というようなものを持っていると思います。
やはり思いは人に伝わってはじめて意味を持ってくるものですから、それらを社内のメンバーや事業上のパートナ、また、お客様も含めた外部に対して「言葉にして」「文章にして」伝えるという能力が非常に重要だと思います。
実務能力に近い部分は、得意な人材を配置することも可能ですが、思いを言葉にし、内外に発信することは経営者の大きな役目であるにも関わらず、私も含め、案外苦手な人は多いと思います。でも、決して諦めずに磨き続けなければならない能力でしょうね。

では、この言語能力はどのように高めれば良いのか?と言う話になりますが一つはたくさん本を読むことではないでしょうか。
読書をする際には単に知識を得るためだけでなく、言葉や表現の持つ力という側面に気を配りながら読むと効果的だと思います。私も、自分自身の能力が不足していると感じているので忙しい中でも読書の時間は出来るだけ作るように心がけています。

このコラムを読んでいただいている方の中には現在学生で、先で社会人になる方や、起業を志している方もいらっしゃるかと思います。是非、そんな思いで書籍と向き合ってみては如何でしょうか。そして、よい本に出会ったら「代表吉田へのホットライン」から是非教えてください!