第33回 なぜか新幹線で自信が出る私

愛知県のお客さまを訪問しました。
数年来、当社の情報漏えい対策製品を利用いただいているのに初めてのご挨拶でした。
僅かな時間の打ち合わせの中で、実にたくさんの発見がありました。電話やメールなど、要点を伝えるには十分なツールが揃った今日では、つい必要なコミュニケーションは取れている気になってしまいますが、直接お会いするとそれが代替案でしか無いことに改めて気付かされます。刑事じゃなくとも、よい仕事は「現場百回」というところでしょうか。

今回の出張は新幹線を使ったのですが、私は新幹線が好きです。逆に飛行機がかなり苦手だったりします。乗機中は常に不安で、長距離の国際線でもあまり眠ったりできないのです。
なぜって?
だって、航空力学だとか揚力だとか推進力だとか、聞きかじった様々な理論を集めてみたところで、貧困なる私の理解力ではあんなに大きな鉄のかたまりが空を飛ぶことが、しっくり来ないのです。みんなそれとなく信じているから飛んでいるだけで、乗客全員が疑った瞬間に墜っこちるんじゃないかとさえ思っています。

さて新幹線。時速300キロを超すスピードで、それでいて社内は静かで安定感があり、空調も快適で、ビールもお弁当もゆで玉子も自由意思で頻繁に補給できるような車両が、数分単位で遅延することなく運行されている事実に感動してしまいます。海外の超特急事情などには一切疎い吉田ですが、こんなすごい事を日々平然と淡々と実現している人達や、この日本という国に妙に興奮してしまうのです。総理の著書を読まずとも「この国はとてつもない国なんじゃないか。」「そこに身を置く自分も、もっともっとやれるんじゃないか。」と不思議な自信が出てきます。ものづくりにたずさわる者として、この根拠のない自信は、実は大きな存在ではなかろうかと思います。