第36回 小石を投じる

唐突ですが、私はミネラルウォーターを飲まない主義です。
以前は飲みました。
“ダイエットに効果的”などと言う言葉に誘われて、まるで石を囓っているような味のヨーロッパの硬水を大人買いした記憶も。
今でも訪問先でご用意いただいた場合にはいただく場合もありますが、自分で買うことはありません。

なぜかって?

小学校の理科で学びました。水は圧縮できません。
オレンジジュースのように濃縮還元もできません。
そんな水を国内ならまだしもフランスやらアンデス山脈から万里を超えて運ぶなんて、あまりにナンセンスだとあるとき思ったからです。(舶来品の硬水ダイエットに失敗した腹いせではありません! 念のために。)
ミネラルウォーターを飲む。それは一個人にとっては健康的なことかもしれませんが、そこで費やされる資源や輸送燃料などを考えると、地球の健康を無駄に害しているとしか思えないのです。
(飲料水メーカーさん、ミネラルウォーターを好む読者のみなさん、ゴメンナサイ。)

さて、本題。
アンチミネラルウォーター主義はあくまで吉田の考えであり、押しつけるつもりはありません。ただ単純にそう思うから、懇意な方には機会があればお話しすることがありました。すると最近とある方から「吉田さんの話を聞いてから、僕もミネラルウォーターを飲まなくなったんですよ。」って言われました。そう言えば以前にもひとり。
どこかの街の飲み屋の席で投じた小さな小石が、小さな小さな波紋を生むこともあるようです。

想いを言葉にすれば人には伝わり、そして少しずつでも伝播していく。
その小さな小さな波紋も反響し合えばやがて大きな波になるかもしれない。