第56回 空想力

私事ですが、3才になった長女が幼稚園に通い始めました。昨年秋に授かった長男もむくむくと成長しています。”人は生まれ、時とともに成長する”という当たり前のことがこれほど嬉しいものだということを知りました。
子供の存在により私は少し視野や空想力が広がったように思います。以前は、自分に子供が生まれたときに良い環境を与えたいと思っていましたが、今は、我が子が大人になり子供(私にとっては孫)を授かったときのために良い社会を作っていきたいと思うようになりました。今私が感じている幸せを我が子に感じて欲しいと思うのです。子供のおかげで1世代分の空想力が増したと言う感じでしょうか。

古くアメリカのインディアンは大切なことを決めるとき、“7世代先の子孫にとって良いことなのかどうなのか?”を判断基準にしたという話を聞いたことがあります。私などはたった2世代しかイメージ出来ないのに、7世代先とはなんたる空想力。人は進化したのか退化したのか。

綿々と続く生命。技術の進歩や経済を通じてますます繋がる世界。
全ては繋がり続いていくのだと考えれば、搾取や人生の勝ち逃げを画策することが愚かなことのようにさえ思えます。7世代先は難しくとも、今私たちに求められているのは空想力なのではないでしょうか。