第77回 朋有り、遠方より来る

先日、私の故郷、徳島から親友が上京した。
彼は日帰りで、あいにく私にも夕刻スタートの商談があったために、私たちに与えられた時間は徳島行き高速バスが出発する前の2時間程度。
最近は年に1回程度しか会えないし、互いに家族を持つこともあり、ふたりっきりで時間を過ごしたのは一体何年ぶりだろう。
過ぎた時間や互いの記憶を埋めるために(?)僕たちはとにかく飲んだ。バーテンダーのサービスが追いつかない程のハイペースで飲んだ。酒には決して強くないおいら、高速バスのターミナルに送ったときには少し足下がふらついてたな(苦笑。

部活を共にした高校時代、テニスと恋愛、そしてかっこよく生きることとは何か?ばかりを考えていたよな。テニスの強化合宿中にふたりでやんちゃして、他校の先生にボコボコにされたこともあったよな。
あれからもう20年以上。実に多くの事が変わっている。互いに年もとったし家族もできた。自分以外のことに心と時間をつかう立場にもなった。互いに現実の中に生きていることに改めて気づかされた。
それでも変わらないことがあった。彼は今も一個人としての高みを目指して歩んでいる。僕たちは自分の無力さにも気付きながらもふて腐れず、時に酒の力を借りてでも、それでも明日に向かって進もうとしている。

子曰、「朋有り、遠方より来る。亦悦しからずや」

また飲もう。