第92回 おたがいさま

先日息子が風邪をこじらせて1週間程入院いたしました。
「余計なところは似る」とはまさにこのことでございます。私からの遺伝に違いない喘息を、酷く悪化させてしまったのです。
身内が近くに居ないこともあり、上の子もまだ幼い我が家はこういう時に一気にピンチになります。母が息子に付き添う間、上の娘の面倒を見る人が居ないのです。
余計なところを似させた張本人は、看病やその間の家事などにおよそ役に立たないダメ父ちゃんでございます。

それでも世の中はやさしいものでございます。
知人ご家族が娘を預かって下さいました。
近所のラーメン屋さんまで娘を預かって下さいました。
息子の短期入院という小さな我が家のアクシデントを通じて、私たちを取り巻く人たちのやさしさとご縁に感謝いたしました。

こうした親切を頂戴するときに聞く言葉は「おたがいさま」。

似た年端の子供が居るとか居ないとかのレベルで同じ境遇にあるからとか、相対の貸し借りといったレベルの行為ではなく、この世で生きていく上で常に誰かに助けられているという感覚や、輪廻レベルでの視点での貸し借りから生まれる、素晴らしい感覚だと思います。

この度助けていただいた皆さま。ほんとうにありがとうございました。
この感謝の気持ちを、あなたが私たちにしてくださったように、困った誰かにお返ししていきたいと思います。