第114回 恩

恩の多い生涯を送って来ました。自分には恩の返し方というものが、見当つかないのです。

無駄に太宰風の書出を気取ってみました。

私、近頃まで自分を成長させれば自立して、他人の恩に頼らずとも生きられるものだと思っていました。
会社を経営する立場になり、子供もさずかり、40歳も超えた今、歩みは遅くともそれなりには成長したように思います。
ところが歩めば歩むほど、成長すればするほど、いただくご恩が増えています。
誰かの役に立ちたいと願えば願うほど立派な方々との出会いに恵まれ、さらにいただくご恩が増えていきます。

あの人にもあの方にも既に返しきれないご恩をいただいてしまいました。
総量でももうプラスマイナスの帳尻が合わないほどのご恩をいただいてしまいました。
Give and Take. どころか、Take Take Take Take・・・and Sometime Give.

どうやらこの世は親切に満ちており、与えるものよりも与えられるものの方がはるかに多く、きっと人は、死ぬ日まで返せぬご恩の大きさを感じながら生きていくのだと思います。