第125回 世間知らず

正直申し上げましょう。
私はそれなりに”ものごとを考えていそうな顔つき”をしていると思いたく、最低限、角度によってはそう見えるはずだと、あちらこちらと顔を傾けたりしたものです。
しかしやはりただの”のほほん顔”らしく、特に人生の先輩方からはのほほんとした世間知らずに見えるようです。いや、先輩方が思う以上に世間知らずに相違ございません。生きれば生きるほど気づかされることばかりです。
顔のせいだけでは無いのでしょう。この世間知らず、四十を超しているにも関わらず忠告とアドバイスを頂戴すること数多でございます。そこには私のことを慮り心配下さっていることが滲み出、伝わり、嘘ではなく本当に本当にありがたく、その言葉しかと心に刻み込まれております。
しかし私は自分自身でしっくりと手触りを持って判断できるところに辿り着くまでは、私なりのやり方で精一杯やってみたいと思っております。こと「何かを良くしたい」と思うが故に生まれたことならば、これから登る山が険しかろうが挑戦する自分であろうと思っております。
挑戦の先で忠告通りの状態に陥った際は、「おっしゃるとおりでした。」と頭を掻きながらお礼を申し上げに行こうと思っております。それでも変わらぬのほほん顔で。