第127回 圧倒的な父ちゃん

2人の子供を授かっている我が家。
成長は早いもので、この春から長女は小学校に、長男は幼稚園にあがります。
日々の子育ては母親任せの非イクメンの私。娘の卒園式ではビデオさえ満足に撮れず、大きく育った娘と行事に手慣れたパパたちがやたら眩しかったのでございます。

吉田家の男はそんなものなのかしら?
私の幼少期の思い出に出てくるのも母親ばかりです。
幼少の私は魚釣りばかりをしていましたが、釣りはあまり好まず、複数の商売で忙しくしていた父親に釣りに連れて行ってもらった記憶は残っていません。
しかしたった1つだけ忘れられない思い出があります。
何時間粘っても雑魚1匹すら釣れない初夏の日だったように思います。
釣れぬまま日も傾いてきた頃、珍しく親父が現れ「どれ」と竿を取り一投。すぐさま大きなメッキアジを釣り上げ「暗くならないうちに帰ってこいよ」と去っていきました。
あの時の親父は痺れるほどかっこよかった。
それはそれは圧倒的な存在感でした。

私の記憶がそうであるように、きっとこの子たちが大きくなったときに残った思い出に、父ちゃんの登場シーンは少ないに違いありません。ろくに面倒を見てくれなかった父ちゃんとして残るのかもしれません。
それでも、あの時の親父のような、圧倒的な父ちゃんでありたいと思っています。