第130回 選択できない幸せ

「実力があれば仕事や生き方が選べる。」
「お金があれば好きなものを食べられる。」
多くの人が目指しているように思いますし、私自身 そんな“自由な選択”をできる能力と経済力を持ちたいと願い生きてきました。“勝ち取ることの格好良さ”を信じて生きてきました。

美波Labへの出張滞在時、ご近所さんたちとお酒をご一緒するのが楽しみになっていますが、そこで地元の皆さんから
「農家の長男だから田んぼ続けないと。」
「昨夜の食卓、調味料以外は全て貰った食材だった。」
「この時期はアオリイカが大漁だから、イカばっかり食べている。」
と言うようなお話しをよく伺います。
「好きなものが食べられない。」と自虐的に話す際の笑顔がなんだか素敵です。

先祖や知人や季節や自然や神様。
他者から与えられた恵の中で生きていく。

この世には“自由な選択による幸せ”がある一方で“選択できない幸せ”もあるようです。
しかし“選択できない幸せ”が多い人ほど「ありがとう」の言葉が多いように思う今日この頃です。