第15回 企業に於ける力の根源

「企業にとって重要なものは?」との質問にはいろんな答えがあります。
「当然、株主」という答えがあるかと思えば「社員だ」という答えもあり、「企業成長の9割9分は社長で決まる!」等という怖いお話も聞きますし、「お客様は神様です」という三波春夫さんのような方もいれば「客は我が儘、話を聞くな」というような乱暴な説も耳にします。「じゃぁ一体何なんだ!?」と吉田に聞かれても困ってしまいます。結局ビジネススタイルには好みはあっても正解は無く、きっとどの説にも真実はあるのだと思いますので。

前振りが少し長くなりましたが、先日、企業に於ける力の根源が顧客の存在にあることを改めて認識する機会がありました。
当社のある製品をバージョンアップしようとしたところ、他社ソフトとの共存における大きな難問にぶつかりました。技術的対処方法もなく途方にくれておりましたが、ダメ元で共存問題がおきている大手ソフトウェア会社に連絡を取り、顧客に迷惑をかけない為に対応いただきたい旨をお願いしたところ、迅速に対応いただき、難なく解決を図ることができたのです。当社に1社の顧客も無い状態であれば解決しなかったであろう難問が、顧客の存在が大きな後押しになり解決したのです。その時の私の感動は大げさでなく涙もので、思わず社内に感激メールを送っちゃいました。

お客様はお金を振り込んでくれるだけの存在では決してありません。私たちにとってお客様からの期待は最大のプレッシャーであると同時に最大のモチベーションです。お客様からいただく要望の声は私たちの明日の糧です。そしてお客様からの「ありがとう」の言葉は究極の癒しです。
当社のように長い歴史もブランド力も強力なバックボーンも無い企業にとって、一人一人のお客様の存在が力の源泉であり最高の援軍です。しかし、お客様の存在は決してお金では買えません。日々のたゆまぬ努力と実績の積み上げのみが生み出してくれる存在です。その為には正しく継続するしかないと信じています。そして、いつか歴史もブランド力も得る日が来たとしても、今と同じ気持ちと行動が出来るサイファー・テックでありたいと考えています。