第172回 クニはどこ?

とある歓楽街の飲み屋さんでお酒の相手をしてくれた女性とのお話しです。
仕事の忙しさ、何歳に見えるか、芸能人の誰に似ていると言われるか・・・。
お約束の儀式のような確認会話の後にこれまたお約束の一環、互いの出身地のお話しになりました。
彦摩呂さんに似ていると言われた阿波徳島出身の男、それでも味のある男を演じようとウヰスキー片手に極力抑えた声で「おねえさん、クニはどこ?」と問いかけてみました。
「日本に決まってるじゃないですか~。私ハーフじゃないですよ~」とのご返答。
はい。その通りでございます。
やっぱり彦摩呂さんはお笑いタレントでした。

無駄話を披露致しました。
近頃は国や民族や宗教というものを意識させられる事案が増えているように思います。
国内でも、やれ右だの左だの議論も増えているように思います。
一筋縄じゃないのだろうけれど、そんな時こそシンプルに考えたいものです。
自分が生まれ、自分を育ててくれた場所(=クニ)が好き。そのクニが年齢と経験を重ねると共に、美波→県南→徳島→関西→日本と広がった。
親や祖父母。自分の今に繋がる先達に感謝と尊敬を払いたい。その先達の範囲が血縁だけじゃなく世代に広がった。
ただそれだけ。
そして自分が自分のクニや先達を強く愛するように、他の人もきっと同じような強さで自分のクニや先達を愛しているだろうからその気持ちを尊重する。
ただそれだけ。
多くが繋がり複雑さがます時代だからこそ、心はそんなシンプルさで居たいものだと強く思います。