サイファー・テック代表取締役 吉田基晴のコラムです。
2015.3.16[ 第174回 ]
武蔵が語ること

発見された戦艦武蔵の映像を見ました。
あの武蔵が…。
戦後70年の今年に…。
ただひたすら黙って見つめるしかできない映像でした。
小さなころから戦史に強い興味があった私。
「作戦直前に艦の塗装を目立つ色に塗り替え、囮となって他艦を守った。」とか「高性能の防水壁により艦内に残った空気のせいで沈没後も海を漂っている。」などという武蔵に関する言い伝えを読み、心震えた少年の頃を思い出しました。
大日本帝国海軍の象徴のような大和や武蔵をつかまえて「戦艦の時代なんて終わっていたのに(=空母の時代になっていたのに)大艦巨砲主義にこだわって建造した、役立たずの船」とか「日本は当時もガラパゴス的判断しかできなかった」とか日本を矮小化するようなことを言う人もいるのだけれど、少しは知って欲しいものです。
武蔵建造時には世界中の国が大艦巨砲主義であったこと。
世界初の正規空母を造船したのは日本だったこと。
そして航空機の有用性を実証し空母の時代を切り開いたのは日本だったこと(現に武蔵は日本最後の戦艦)。
ほんの少し前まではイギリスに造船を依頼していた日本が研究を重ね世界最強の戦艦を造ったこと。
その造船技術が戦後の我が国の発展や世界の海運を大いに支えていること。
右寄りだの軍拡主義だのとアレルギー反応を起こす前に、当時の施政者も激烈な国際情勢の中で日本を懸命守ろうとギリギリの判断をしていたことや、この国の先達たちの仕事の凄さや、そしてその努力の先で今があることは認めて欲しいものです。
多くの戦死者と共に海底に沈む武蔵は沈黙しているけれど、私には先達への感謝を忘れてはいけないこと、戦争の悲劇を繰り返してはいけないということを問いかけているように思えてなりません。
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