第185回 天 山 川 海 人

興味深いお話しを聞きました。

とある河川の源流域にある小さな集落の小さなお祭り。
初冬、一糸まとわぬ状態で何度も滝に打たれ身体を清めた男たちが神様への感謝を捧げるそうです。
そしてこのお祭りにはその河川を遠く下った海岸で漁を営む漁師さんたちが、感謝と豊漁祈願で酒や魚を捧げているのだとか。
はるか昔から、毎年、脈々と。
源流に降った雨は山の栄養を川を伝って海に届け、その栄養で育った海藻や魚が漁師さんの生業と、人々の糧となり、そして人はいつか天に還る。
天と山と川と海と人の繋がり。
科学的な証明が無かった時代から、繋がりを感じ、繋がりを信じ、脈々と続ける。

今の自分に何が繋がっているのかを認識するのは結局自分。
その繋がりの範囲を少しでも拡げ、気づいた対象に少しでも寄り添う。
そんな人間でありたいと思います。