第194回 予行演習

私事の報告も兼ねたコラムとなります。

今住む東京も好きだけれど、田舎に生まれ育った私には幼少期の遊びも学びも実体験と実感がありません。我が子には自分が身を以て感じたリアリティあることだけを伝えたいと願ってきた私。
「子供は田舎で育てたい。」ずっとそう思っていました。

時は来た!
この春、吉田家は息子の小学校入学に合わせて美波町に移住致します。

さて、この年始には我が子を連れて転校・入学する予定の小学校にご挨拶と見学に伺いました。
小学3年生の娘も幼稚園児の息子も緊張した様子も無く「全然平気だよ」との娘の言葉に、「まだまだ子供。たいした不安もないんだ」と一安心していました。
ところが・・・。翌日のドライブ、車内で娘が小さな声でつぶやいていることに気がつきました。
「東京都から引っ越してきた吉田○○です。今日からこの学校にお世話になるのでよろしくお願いします。」
「東京都板橋区の※※小学校から転校してきた吉田○○です。猫が好きです。どうか仲良くしてください。」
そう。娘は3ヶ月も先の転校初日の予行演習をしていたのです。
何度も何度も。一人で推敲しながら。繰り返し繰り返し。
娘の予行演習は、転校が子供にとって一大事であることを実感すると共に、自ら予行演習をしたのっていつだろう?と考えさせてくれました。
“初めての告白”?
“社会人になって初めての顧客訪問”?
いずれにしろ遙か昔の思い出。
歳と経験を重ね予行演習をするような事は無くなっても、初でピュアだったあの頃の気持ちはいつまでも忘れずにいたいものです。