第199回 2016 帰郷

今日から俺 東京の人になる のこのこと来ちまったけど
今日からお前 東京の人になる せっせせっせと東京の人になる
は、鹿児島出身 長渕剛さんの“東京青春朝焼物語”の一節。
徳島出身の吉田基晴がこの歌を口ずさみながらのこのこと上京したのが15年程前。
今日は、生まれも育ちも東京の家内と子供たちを連れて、徳島に向かう客船の上からコラムを書いています。

「地方には刺激が足りない」
「東京にはきっとチャンスがたくさんある」
「IT業界ならやっぱり東京かな」
思い返せば30才を前に、そんな事を考えながらの上京でした。
しかし。
田舎には身体に沁みいるような、深くて力強い上質な刺激がありました。
日本の未来を先取りしているのが過疎地であり、チャンスもふんだんにあることを知りました。
「やっぱり○○」なんてのは、常識や他人の意見をベースにした考えに過ぎないと思うようになりました。

「田舎はのんびりしてるだろうから学力落ちるんじゃない?」
「習いごとも種類が少ないでしょ?」
「高校も大学も選択肢が少ないのは大丈夫?」
そう言って、田舎を離れることも多いでしょうし、今回の移住でもそんな声を頂くこともありました。
しかし、きっと大丈夫。
子供たちは、色濃い四季や、原色や、食べ物は自分で獲れることや、都会から来たITの兄ちゃんや、やがて来る未来なんかを、見ながら知りながら育ってくれると思います。
東京も素晴らしいけど、田舎も素晴らしいのだ。

今日から俺 美波の人になる のこのこと来ちまったけど
今日からお前 美波の人になる せっせせっせと美波の人になる