第238回 もらい泣き

サイファー・テック元社員の結婚式に参加しました。
社歴15年になる当社の設立初期を支えてくれた仲間の結婚式でした。

新郎は、予想もつかぬ行動で周りをスリリングな毎日にしてくれる方でした。
思い返せば彼には苦労させられました。上司としても何度も泣かせてもらいました。
一度などは、彼のミスが原因でお客様からお叱りを受けているMTGで、お詫びする私の横で居眠りをしていたこともありました。
けれど、彼は人の為には行動と汗を惜しまぬ優しさがありました。
おっちょこちょいだけれど、とてつもないあたたかさがありました。
そんな彼との忘れ得ぬお話。
あれは当社オフィスに宿泊施設があった頃の、年の瀬も迫った寒い夜でした。
お客様との会食で遅くなり、オフィスに泊まることになりました。
「吉田さんの布団、準備してきますね」と言って寝室に行ったまま戻ってこない彼。
30分ほどたって様子を見に行くと・・・。
眠っていました。布団にくるまれ、実に幸せそうな表情でグーグー眠っていました。
叩き起こすと、「布団が薄くて寒いんじゃないかと心配で、温度を確認するつもりだったんです!」ですって(笑)。
気の利いた嘘など言えるはずのない彼。本当に布団の具合を確認してくれていたのだと思います。
呆れるやら嬉しいやら可笑しいやら。
その夜はとても温かい気持ちで寝たのを覚えています。

そんな彼が迎えた人生の晴の舞台。
丁寧に感謝の言葉を伝える新郎になっていました。
家族を支えていこうという覚悟がにじみ出ていました。

なんだか悔しいけれど、また彼に泣かされました。