第246回 もう戻れない

親に連れられ、東京から徳島の片田舎に引っ越した我が子達の田舎ライフも2年が過ぎようとしています。
早いもので上の子は小学校の高学年にさしかかり、ベースがのんきな我が家でも、先を見据えた進路・進学の話題が繰り広げられるようになりました。
親からは何も言われた記憶も無く、特段の強い意志も持たず、大きな意志決定もせずにのほほんと大人になった私。我が子に対しても「どこに居たって立派に育て!」等と、教えにもならない教えをしている、頼りないお父ちゃんなのでございます。
中学校に高等学校。
少なくとも形而下は学びの場が少ないのが地方。
交通手段や金銭面などの条件を複合していくと、現実的な選択肢はどうしても限られます。
「やっぱり東京の方が良かった?」
ふと心配になった父ちゃんの質問に、我が子が返しました。
「水と空気が美味しいし、何よりこっち(美波町)は楽しい。もう東京には戻れないよ。」

うん。我が家はそれで良い。
どこの居たって立派に育て。