第255回 気構え

西日本を豪雨と災害が襲った7月の夕方、田んぼの見回りをするご高齢の農家さんとお話をする機会がありました。

曰く、
その昔、百姓は1年分のお米を蓄えるのが当たり前で、新米を食べたいと思っても1年前の古いお米から食べていた。
広域で災害が起こったら、国だって他の自治体だって小さな村を支援することは難しいのだから、支援が来るまではなんとしてでも自らで生き延びなければならない。
みんなが困っている時に、「助けてくれ!」なんて言わなくてもすむように。
けれど、近頃はどうも個人が蓄えを考えているように見えない。
だから私は、いざという時に皆の助けになればと思って、いつも200俵(6トン)のお米を備蓄している。お米の備蓄には電気代がかかるが、保険料みたいなもんだ。
お米の備蓄
80歳を超すご老人が、我が身と他人の為に備えている。
災害時でも人に迷惑をかけないように、ひとりでも助けられるように、行動している。

災害が増えているように思う今日の気構え。
公助、共助、自助とは言うものの、大切なのは自助の精神、そして助け合う共助の精神。
このご老人のようにありたいと思う。