サイファー・テック代表取締役 吉田基晴のコラムです。
2008.10.15 [ 第20回 ]
レンタカーの窓口で人としての在り方を考える

唐突ですが現在吉田家ではマイカーを持っていません。
地方出身の方なら共感いただけるかと思いますが、公共交通機関の極端に乏しい地方出身の私にとって、自家用車の無い生活って以前は全く考えられませんでした。ただ、車を手放してみて気付いたのは、少なくとも都会に於いては自家用車って、あればとても便利だけど無くてもなんとかなるし、無ければ無いメリットもすごくある不思議な存在だと言うことでした。“車必須症候群?”の方は一度見直してみては如何でしょうか?
さて、そんな訳でたまの遠出にはレンタカーを用いる事が多いのですが、ガソリン高とはいえ絶好の行楽シーズン。レンタカーの窓口はそれなりに混在して、手続きも順番待ちです。以下は順番待ちの際に見聞したお客さんと店員さんのやりとりです。
このレンタカー会社でも、まだ記憶に新しい秋葉原の殺傷事件以降、利用申込み時の本人証明取得を厳格化したそうで・・・。
店員:「お客さま。当店ではカードでのお支払いを原則としております。」
お客さん:「現金払いでお願いしたいのですが。」
店員:「現金払いの場合、9月1日以降、免許証以外に別の身分証明書の提出をお願いしています。保険証はお持ちでないでしょうか?」
お客さん:「あいにく保険証は持っていません。」
店員:「パスポートでも良いのですが。」
吉田感想:(日帰りドライブにパスポート持って出かける人は少ないよなぁ・・・。)
店員:「もしくは公共料金の請求書はお持ちじゃ無いでしょうか?」
吉田感想:(それを持ち歩いているのも不思議なような・・・。)
お客さん:「両方持っていません。」
「判りました。一度自宅に戻って保険証持ってきます。ただ、急いでいるので借りた車でひとっ走りしてとってきたいのですがダメですか?」
吉田感想:(そのお気持ち、お察しいたします・・・。苦笑)
店員:「申し訳ありませんが、さすがにそれは・・・。」
そのお客さんは、ひとしきり交渉をしたのちはあっさりと引き下がり、余程急いでいるのか保険証をとりに自分の足で走って帰っていきました。
お金を払う客の立場でありながら、自分の責じゃない事で過分な証明を求められ、しかも手間も汗もかかされるにも関わらず、(ウィットに富んだ交渉はしながらも)憎まれ口はひとつも言わない。半分ネタみたいなこのやりとりに不謹慎ながら苦笑しつつも、そのお客さんの在り方に、なんだかさわやかさを感じました。
告白しますと、私などはこんな時にその証明手法の不完全さ等に言及して店員さんを無用に困らせてしまうタイプだったりします。
小さなところで人の価値って表れますよね。私もこんな人でありたい。
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