第30回 経済発展から経済発酵へ

先日、生まれて初めて大豆からの味噌づくりに挑戦したことは、拙著ならぬ拙ブログ(こんな言い方するのかな?)に紹介しました。
大豆からの味噌づくり

たとえ東京の空気の中でも、素人の私の手による仕込みでも、ゆっくりとそして着実に発酵して、1年後には美味しいお味噌になってくれるそうな。
(仕込んだ家庭に愛があればさらに美味しいらしい・・・。)

味噌づくりを通じて感じたことは、「大豆」「塩」「米」「麹」たったこれだけの素朴な素材に一手間を加え、あとは自然と時間に委ねるだけで、機械や工場やコンピュータが動かなくても美味しい味噌ができる不思議。そして、私たちの先代達は化学だの工学だの言わなくても、自然に対する豊かな感性と謙虚な学びから、こんな素晴らしい食文化を創り出したこと。

今回の味噌づくりのきっかけを与えてくれた友人は、よく「これからは経済発展を目指すんじゃなく経済発酵を目指さなきゃ」と言ってくれます。ドーピングを施して発展を維持するような無理な経済ではなく、じっくりと発酵していくような経済。金融工学なんか知らなくてもきっとできますよね。