第262回 からくり装置

仕事柄、さまざまな方の講演を拝聴する機会に恵まれています。
この混沌とした時代に、悲観的な情報ばかり溢れる時代に、面白がりながら新たな世界を生み出そうとしている方たちのお話しは、斬新な世界観やアイデアに溢れているように見え、感心させられること度々です。
先日も・・・。
素晴らしい講演を聴いた後のタバコ部屋で「俺たちには無理。才能が違いすぎる。」というような会話が聞こえてきました。圧倒的な講演を前にしての、言い訳半分の自己処理でしょうか。

けれど。

彼らは時に違和感・異物感を感じるような新しいこともまずは受け入れスタートさせ。
その先で生じる現象を虚心坦懐に見つめ。
それらが暗示することを、咀嚼できるまで、自分の言葉で言語化できるまで、深く向き合い。
そうして得られた視座から、また新しいことを始め、見つめる。
そんな“からくり装置”をぐるぐるぐるぐると回し続けている。
飽きも諦めもせずぐるぐると回し続けている。
だから、産物のひとつでしかない講演さえも、壮大な1枚絵のように迫ってくる。
他者に卓越した先見性というよりも、目の前で生じることに誰よりも素直に、徹底的に向き合う能力。
きっと誰だって伸ばせられる能力。