第278回 顔

このコラムや私のソーシャル投稿をみている方は、「美波町は一年中お祭りや飲み会が開催されているのかしら?」。

そして、「あの吉田とやらは仕事もせずにいつも惚けているのでは?」などとお考えかもしれません。

確かにこの地、宴が多いのは事実でございます。圧倒的に多いように思われます。

しかし、私の言い訳、いや、町の名誉の為にお答えしておきましょう。

必ずしものんきな顔で快楽をむさぼって居るわけではないのでございます。

 

去る休日も、青空の下、海辺で大宴会が開催されました。

 

男たちは朝から集まりテントを設え、山海の珍味をさばき、アルコォルを冷やし。

入れ替わり立ち替わりする来客に料理を振る舞い、自らも飲み、道行くお遍路さんも飛び入り参加し。

そして、昼前からの楽しい宴も終わり、宴の後片付けを迎えた夕刻。

酔っ払った地元のおっちゃんが年端もいかぬお孫さんに人生訓を教える言葉が聞こえた来ました。

「いいか。最後まで残って片付けまでしている男の顔はどんな顔をしているか、よく見て、よく覚えとけよ。」

 

遊びの為に準備をし、遊びは徹底的に楽しみ、遊びの中に役割があり、遊びを通じて評価がある。

そう。田舎の遊びは手が抜けないのでございます。