第279回 信心

ようやく梅雨が明けました。

東京暮らしでは快不快だけで空模様を気にしている私でも、田舎に戻ると農家さんや漁師さんの顔が浮かぶものでございます。

空けぬ長梅雨に、春の田植えの水稲たちが心配になっておりました。

そんな里山の春の水田で見つけた小さな石碑。

明治時代のものかしら?江戸時代のものかしら?石碑に刻まれた「水神」の文字が風化に耐えていました。

作業効率や科学とはかけ離れた小さな石に、花が添えられていました。

去年も今年も変わらず続ける祈りとしきたり。

こういう静かな信心が心にしみる年頃になりました。

やはり私には、土に立ち自然のそばで空を見上げる時間が大切なようです。