第190回 最初の1匹を釣る

太平洋を泳ぎ回る鰹や鰤や勘八といった青物に、成長や産卵のために遡上する鮎や鮭。
そんな回遊魚達の特性は、居ない時は1匹も居らず、居るとなったら群れで存在していること。
つまり季節とタイミングを外してはどんな立派な竿を出してもどんな高価な餌を付けても、1匹も釣れないということになります。一番効率が良いのは釣れている時に、竿を出すこと。

いろんな遊びに手を出す吉田にとっても釣りは最上位。
美波を訪問した際には、漁師さんに「今何が釣れていますか?」「アオリイカの調子はどうですか?」など、2匹目のドジョウを期待する質問ばかりしています。
そんな助平社長の質問に、とある漁師さんが答えてくれました。
「社長、魚が釣れるのはそりゃ誰だって楽しいよ。特に青物。釣れると聞いてから船を出してたくさん釣る漁師もいるけど、わしは、その季節、その港の最初の1匹を釣る漁師はやっぱり格好ええと思うんよな。」

他人の成功を聞いて真似するだけでなく、自らの意志と勘でまだ見ぬ未来を切り拓く。
釣りも、ビジネスも、人生も。
そうありたいものです。