第162回 お米先生

亡くなって20年にもなりますが、百姓だった祖母が「なんでも先生。」と言ってました。
きっといろんな事から教わることができるという意味だったのだと思っています。

日照不足気味の天候に加えて台風の直撃もあり心配していた我が社の「美波Lab米」、収量は少なめながらも無事に実ってくれました。今年も喜びの秋を迎えることができました。
日頃お世話になった皆さんにもお裾分けしたく、先日精米と分包作業を行いました。
贈る側が言ってしまうとなんとも無粋なのですが、実はこの工程、思いの外手間がかかり実に大変です。
30kgの米袋を運び、機械熱と米ぬかでむせ返る精米所で精米し、さらに運び、精米熱を冷まし、重さを量りながら分包して発送。喜ぶ顔が想像できる知人宛じゃなければとてもじゃないけど辛い作業です。
次の日の腰痛と全身の疲労感、日頃いかに身体を使っていないかが分かり恥ずかしくなりました。

やっぱりお米作りって良いですね。
普段とは違う確度から仕事や労働について考えさせてくれます。
お米や魚に限らず、全ての製品やサービスが手元に届くまでに携わっている方たちの汗と苦労。
より良くなるよう先輩達が積み上げてきた日々の工夫や改良の凄さ。

「お米先生」。
お米は毎年教えてくれます。
来年もどんなに忙しくてもお米の声に向かい合える自分でいたいものです。